春節を前にした中国上海の観光地・豫園(よえん)ではランタンフェスが開催されている。夜になると灯る明かりが華やかで美しい。

今年の干支は「亥」。中国では「豚」を指す。豚は家畜として真面目で温厚であるというイメージがあり、「富貴」を象徴する。

▲豫園に設置された豚の巨大ランタン。このランタンフェスは1月21日から2月22日まで開催されている。

 

▲豚のランタンを撮影する上海市民

一方日本では「亥」はイノシシを意味するため、中国の「豚年」には違和感を覚える人も多いだろう。しかし十二支は中国が起源であるため、元は「豚」であったことに間違いない。ところが日本では昔、家畜として定着していたのは豚ではなくイノシシであったため、中国語で豚を意味する「猪」をイノシシと読んだり、十二支の「亥」もイノシシとしたのではないかという説が主流である。

▲豫園を見て回る親子連れ

中国人にとって春節は1年の中で最も大切な祝日であり、春節こそが本当の年始である。今年の春節は2月5日で、その前日の2月4日が大晦日にあたる。春節を迎えるにあたり国民は様々な「年貨(年越し用品)」の準備にいそしみ、その種類は食べ物や飾り物、爆竹など様々だ。現在上海のような大都市では安全のため爆竹の使用は禁止されているが、食べ物や飾り物は今もなお上海市民にとって欠かせない年貨である。

上海最大の繁華街の1つ「南京路歩行街」に並ぶ店には、年貨を買いに来た中国人が大勢押し掛ける。老舗の食べ物屋は特に人気の様子であった。

▲提灯に彩られる「南京路歩行街」。春節ムードの街中。

▲年貨を売る店の前に集まる人々。

▲春節の飾り物を選ぶ市民。

▲福字の飾り物を手にする市民。

「福」の字を逆さまに壁に飾るのは春節の風習の1つである。「逆さにする」を中国語では「倒」というが、その「倒」と「来る、到着する」を意味する「到」の発音と形が似ていることから、「福」を「逆さにする(倒)」ことで「福が来た」ということを表すようになった。

ところで、街中には春節に便乗する豚をモチーフにした人気キャラクターが多くみられた。そのひとつであるこの手足の短い可愛らしい豚のキャラクター「猪小屁」は、2017年に中国で人気のショートムービーアプリTik Tokにてリリースされ、その可愛さですぐに人気を集めた。今年はちょうど豚年であるということで、このキャラクターの展示会が上海の「梅龍鎮広場」にて開催された。

▲梅龍鎮広場に設置された「猪小屁」。

▲拳と手のひらを胸の前であわせるポーズは「新年おめでとう」という意味。

▲記念写真を撮る親子。