中国EC大手のアリババの時価総額は2019年1月時点で4120億米ドル(約44兆6515億円)と、世界6位である。また、英系市場調査会社カンターが発表した「2019年世界のブランド価値ランキング」でアリババは7位にランクインした。傘下のC2C事業タオバオとB2C事業の天猫を通して中国ECトップの座を長年保ってきた。そんなアリババは様々な分野への投資を行い、少なくとも現在アリババの投資先企業数は300社を超えている。
アリババの過去の投資先企業は多くのメディアがこれまでに何度もまとめてきたが、今回チャイトピ!では対象時期を絞り最新の当時情報を掲載する。アリババが発表した2019会計年度(2018年4月1日〜2019年3月31日)業績報告に基づいて、過去一年間の投資先企業をまとめた。
2018年4月からの1年間でアリババは19社に投資
▲アリババ2019会計年度内投資先企業リスト
2018年4月からの1年間でアリババは交通や物流、小売など様々な分野の企業計19社に投資をした。ここから以下のような分析ができる。
1、物流分野への投資では、中国民間物流企業「四通一達」(申通、圓通、中通、滙通、韵達の5社)のうち韵達以外の4社を自陣営に取り込んだ。この投資はコア事業であるEC事業を支えるだけでなく、物流市場への影響力をより拡大させるとみられる。
2、家具の販売を含む小売分野への投資を通じて、伝統的な小売企業らへ自社のビッグデータを共有するとともに彼らのオフラインデータを得る関係性を築いた。アリババが2016年に打ち出したニューリテール戦略の一環として、これらのデータを用いてオンラインとオフラインを融合させ、販売効率を引き上げる狙いがある。
3、中国国内に限らず、トルコやインドネシアなどの国外EC企業にも投資した。海外事業も拡大していく姿勢である。
アリババ株主状況:筆頭株主はソフトバンク
アリババ株主リスト(出典:アリババ決算報告)
2019年3月時点でソフトバンクはアリババの筆頭株主として、25.9%の株式を保有している。また、同時点ではAltaba(旧米Yahoo!)が第二位株主として9.4%の株式を保有している。
個人株主については、前年より減ってはいるものの、6.2%の株式を所有する会長のジャック・マーが依然としてアリババ最大の個人株主である。アリババ取締会副主席の蔡崇信は2.2%の株式を保有している。