今年で4回目、無印良品中国の品質問題

▲無印の謝罪文(左)・ 中国のネットの反応(右)

先日、無印中国はハンガーやソファ椅子を含めた計6品目が実際の材質が記載と異なるということを、北京市市場監督管理局に指摘された。
無印はホームページで謝罪のコメントを出し、返品・交換対応をすることを発表した。
品質問題が報道されたことにより、中国のネット上では無印良品は“良品じゃない”といった失望のコメントが相次いだ。
この件は、中国で高級路線を歩んできた無印のブランドイメージに傷をつける結果となった。
無印良品中国が品質問題で取り沙汰されたのは今回が初めてではない。
今年だけでも、今回で4回目である。
販売しているお菓子や水から標準値を超えた物質が検出されるなど、度々商品の品質による問題が起きている。

高級路線で、事業を拡大してきた無印

▲上海にある無印(撮影:チャイトピ!)

無印中国は2005年に中国市場へ進出し、上海で第1店舗を開業した。進出当初は“高級路線”を打ち出し、商品の定価を日本市場の約2倍に定めた。
出店場所も日本とは異なり、ショッピングセンターなどの大きな商業施設であった。
高価格でありながらも、その高品質と独自のデザイン性で中国消費者を魅了した。その後事業は拡大していき、店舗数は200店以上にのぼった。さらに新事業として「MUJI HOTEL」をスタートさせ、第1店舗と第2店舗を中国で開業するなど、中国市場に力を注いだ。

 

中国事業失速

 しかし、2016年から無印の成長スピードは振るわなくなっていった。
2018年度の業績発表によると、中国本土においての既存店年間売上が2.1%減と初めてマイナスに転じた。
この要因の1つに中国の“家具・雑貨小売市場”の競争が激化していることが挙げられる。

中国国内ブランド相次いで登場

▲上海のとある商業施設内・無印、MINISO、NoMeの3社が店を構えている(撮影:チャイトピ!)

 海外企業の中でも無印やIKEA(イケア)などの中国進出は比較的早かったが、中国国内ブランドもただその様子を静観しているわけではなかった。
日本人の間でも近年話題になった中国の雑貨ブランドの「miniso(名創優品)」はパクリのイメージを好転させ、格安商品でたくさんの消費者を獲得した。そして2018年の時点で、世界86カ国に3600店舗も展開している。
現在はIPOに向けて準備を進めているなど、好調のようだ。

また国内ブランドはminisoだけに止まらず、2017年には「NOME(諾米家居)」といった北欧をイメージしたブランドも創業された。
NoMeは今までに3度もの資金調達に成功しており、北京、上海などの都市において約100店舗を構えている。取り扱う商品は家具、服装、食品など数十種類のカテゴリーを網羅している。
NoMeは高いコスパを売りにしており、自社のサプライチェーンの構築にも注力している。さらに、近年中国小売業界のトレンドとも言える「ニューリテール」に順応し、オンライン店舗も運営しており、オンラインとオフラインの融合による顧客体験の最大化への取り組みを進めている。

 

無印中国の挽回戦略

国内ブランドは無印の店舗がある、大型商業施設に店を構え市場競争をさらに白熱化させている。

強豪との市場競争、業績低迷の現状を受けて、無印は2014年に値下げを開始した。4年の間に10回もの値下げを行っている。
今回の品質問題発覚後も、無印中国の総経理はメディアに向けて、「戦略店舗」を展開し、現状を変える計画を明かした。
「戦略店舗」の商品は中国本土商品を増やし、日本とは異なる商品展開をするようだ。
国内企業が次々と現れ、苦戦する海外企業が多い中で、新しい戦略を打ち出し続ける無印。
まだまだ成功の余地がある中国市場は無印にとって重要な市場である。
今回打ち出された新しい戦略による挽回に期待したい。