マーケティング技術「Euler」

▲(公式サイトから引用)

2019年1月に阿里妈妈はディープランニングの枠組みである「图深度学习框架Euler」を発表。これは知識学習とディープランニングを掛け合わせた国内で初めてオープンソースされた産業級の枠組みである。
画像学習とは別名“知識画像学習”ともいい、物事間の関係(アリババグループのユーザー、商品、ブランド、店舗といった異なる性質を持ったモノのつながりを指す)を深く追求することである。

Eulerはすでに検索広告の並び、配置、マーケティングツール、不正を止めるシーンなどで使用されている。
ディープラーニングと自然言語処理の技術を阿里妈妈は革新的に組み合わせ、運営の精度と効率を大幅に高めた。

検索広告のマッチングシーンを例にするとEulerのディープマッチング技術は、複雑な関係を推論と学習を通してユーザーの意図と広告主の運営要求をより全面的かつ正確に理解することができる。その結果広告マッチングの精度を向上させ、プラットフォームの運営効率を大幅に改善。この他にも、Eulerプラットフォーム独自の計算方法に基づき、その広告に興味がある人により正確に提供でき、広告のROIも向上させた。

▲マーケティングツール「超級推薦(超级推荐)」

超級推薦はユーザーの好きな物を直播(生配信)、人気商品などを活用して推測してくれる。ブランド側はユーザーに対して、より簡単かつ効率的なリーチが可能となった。

7億人以上のアクティブユーザーをカバーし数億のIMPを獲得している。主にトップページ、ショッピングカート、支払い完了などのページにて、画像やショートムービーなどを使用したプロモーション、配信ページへの誘導を行っている。

▲タオバオのトップページ(左上の赤い部分の“猜你喜欢”ユーザーごとにおすすめ商品や配信を推測してくれる)

従来の消費者が商品を購入して終わりというシステムから変化し、ユーザー視点からは自分にマッチした商品を、ブランド視点ではユーザーをロイヤリティの高い顧客へ成長させるための運営サポートを行なっているのだ。
広告投下にはAI技術が搭載されている。広告配信をより効率的にするため、新規顧客、購入顧客などの広告計画を自動で設定しブランド側が自由に選択できる広告投下形式を実現した。ターゲット、出稿価格、投下位置を選択するだけで、AIが自動投下を行ってくれるのだ。

AI、新規顧客、既存顧客など様々なターゲティング設定をシステムから行うことが可能。特に既存顧客に販促を行い、離脱率を減少させ、CVRを高める事ができる。
商品、画像、ショートムービー、生配信を多様なアイデアを駆使し、効果測定も行っている。

 

広告予測ツール「智钻(智鑽)」

智钻はアップグレード後、データアルゴリズム及び機械学習を活用した広告投下の予測ツールを開発した。ブランドごとに異なった出稿価格・ターゲットにおけるUV及びROI予測を提供し、より合理的に広告を出稿することを可能にした。同時に、広告プロセスにおいての試行錯誤、コスト及び意思決定サイクルを手助けし、ブランドの目標を効率的に達成できるようにサポートする。

タオバオ のトップバナーではカウントダウン、リピーター顧客、ブランド店舗PKなどのアイデアを活用し、ユーザーに興味関心を持たせる。

▲テンプレートを選択可能(真ん中の対決形式で左右異なる色の形式はクリック数が80%増加)

クリック、店舗フォロワー、成約顧客などの様々な項目を選択し、入札の最適化を行い(手動入札+設定後自動入札+AI入札)システムを構成していく。
ユーザ行動追跡レポートは、淘宝内の様々なチャネルでユーザーの購買行動を提供。それによって運営能力を向上させる。
広告の効果を推測するツールであり、様々な条件下でUV取得効果及び広告効果が推測できる。ブランドはより合理的に広告を打つ事が可能に。

新規顧客、かご入れ、ブックマーク、店舗流入時間周期、流入源など異なるラベルをフィルタリングし、精密なターゲティングを行う。
既存の広告計画に影響がない場合は、広告コスト節約ボタンをクリックすると、コストを抑え、UVをカバーできる。

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