新型コロナウイルスの影響で伝統的な小売業界の客数は激減、売上が下落している。それと対照的に、EC業界の現状は比較的楽観的である。リアル店舗に足を運ぶ消費者が減少し、オンラインのライブ配信を視聴する消費者が急増した。タオバオ(淘宝)のライブ配信サービスに新規登録しる企業が増え、TikTok上の配信者の投げ銭収入も増えた。

TikTokの配信者が睡眠過程をライブ配信、120万円を獲得

▲「谁家的圆三」のTikTokアカウント

 TikTok上の配信者「谁家的圆三」が2月10日に自分の睡眠をライブ配信し、計1857万人が視聴した。同配信者のフォロワー数は一夜にして60万人も増加した。視聴者から投げ銭7万6千元(約120万円)を得たのだ。
その後「谁家的圆三」の真似をして睡眠をライブ配信し、一定の投げ銭を獲得した配信者も複数いた。

TikTokが発表したデータによると、春節期間中武漢市に関する動画は再生数33億回にも上った。新型コロナウイルスの深刻化に伴い、外に出れず家で過ごす時間が増えた市民にとって、TikTokやKwaiなどのショートムービーアプリは暇潰しのための重要な道具の1つとなった。
中国リサーチ会社Trustdataが発表したデータによると、1月のTikTokのMAUは4億3千万人で先月より17.4%増加した。KwaiのMAUは2億7千万人で前月より17.5%も増加した。

▲1月のショートムービーアプリのMAU
(Trustdataのデータに基づきチャイトピ!作成)

「谁家的圆三」の話題は偶然性の一致によるものであり、多くの網紅(インフルエンサー)同様、TikTokなどのプラットフォームを利用した一夜にしての有名化である。新型コロナウイルスという特殊なこの期間は、配信者にとって視聴者増加のための大きなチャンスである。

不動産や自動車メーカーなど様々な企業のライブ配信を活用したマーケティング展開

2019年からEC+ライブ配信のマーケティング手法の採用が増えていた中、新型コロナウイルスの影響により、伝統的な企業をはじめとする多くの企業がオフラインの販売ルートからオンラインでのマーケティング活動への重点転換をより一層増やし一般的にりつつある。

▲不動産屋によるライブ配信(weiboより)

様々な企業がライブ配信を利用して商品宣伝を行っている。タオバオのライブ配信サービスの2月以降の新規配信者登録数は急増しており先月の10倍となった。

500社以上の不動産会社はタオバオのライブ配信を利用して不動産販売を行い、200万人が視聴している。BMWやアウディなど自動車メーカーが1日100回のライブ配信を行った。そのほか、adidasなどのブランド企業がライブ配信を利用して新品発表会を行った。さらに、複数の歌手がライブ配信を通してライブ・コンサートを開催し、400万人ものファンが視聴した。

シャオミは京東とタオバオのライブ配信サービスを利用した新モデルの発表会を開催し、同モデルの京東上の予約販売台数は80万台を超え、発売開始後も好調を見せている。

新型コロナウイルス終息後の業界発展予測

新型コロナウイルスの流行中に、教育業界がライブ配信の形でオンライン授業を展開し、IT企業がテレワークの勤務体制を採用するなど、企業らは主体をオンラインへ転換する傾向を見せている。新型コロナウイルス収束後もこれらのオンライン対策が1つの予備プランとして採用される可能性は高いだろう。

EC業界では、ライブ配信が企業に多くの注文をもたらしたが、物流が未だ完全に復旧できていない状況下である今、注文が増えても出荷が遅れるなどの問題の解決にはまだ時間が必要であり、Q1の業績に響くことが予想できる。

しかし、新型コロナウイルスが与えた危機感から、伝統的な企業もこれから、オンラインルートへの重要度を上げるだろう。ライブ配信自体も有効なマーケティング手法としてさらに多くの企業に活用されていくだろう。

 

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