コスメ+デリバリー、elemeにコスメメーカーが初出店

先日、韓国発のコスメブランド「innisfree(イニスフリー)」が中国フードデリバリー「eleme(饿了么)」と提携することを発表した。innisfree中国事業の200店舗がelemeに登録し、消費者に化粧水や口紅などのデリバリーサービス提供する。
コスメメーカーがelemeに公式店を出店するのは初である。コスメとデリバリーの融合が新たな市場を生むのか期待された。

▲innisfreeのeleme公式店(チャイトピ!によりキャプチャー)

innisfreeは中国で流行した韓流ブームに肖り2012年に中国進出を果たした。2017年には中国で400店舗を構え絶好調だったが、ここ数年オンライン販売を強みした中国本土のコスメブランドが台頭し、innisfreeの売上は低迷傾向にあった。今年すでに、中国市場で業績不振の約90店舗の閉店計画を発表しており、中国市場向けの戦略を調整しオンライン販路へ注力する姿勢だ。

新型コロナで在宅時間が増え、関連需要が減少したため、コスメ業界はダメージを受けている。打開策としてオンライン販路への重視度が業界全体で急上昇しており、多くのメーカーがオンラインのマーケティングを増やした。innisfreeは中国EC以外に、新たな販路としてデリバリー経由の売上向上を図っているのだ。

生活関連サービスプラットフォームへ進化する中国デリバリー

▲上海街頭のeleme配達員(撮影:チャイトピ!)

中国のフードデリバリー市場の成長率は鈍化しており、市場は頭打ちになりつつある。そのため業者らは非食品商品のデリバリー市場の開拓に力を入れ始めた。
elemeは様々な店と提携しており、非食品商品デリバリーの業務を拡大。今回のinnisfreeの他にも、雑貨店「MINISO(名創優品)」やスポーツ用品の「Decathlon (デカトロン)」、本屋の「新華書店」とも提携しており、様々な商品デリバリーを展開しているのだ。

▲中国のフードデリバリー市場規模および成長率(億元)
(iiMedia Researchのデータに基づきチャイトピ作成)

特に中国フードデリバリー2強の「eleme」と「美団(meituan)」は近年、フード専門のデリバリーサービスから様々な生活関連サービスを提供する総合的なプラットフォームになりつつある。

elemeは2018年にアリババに買収され、アリババ傘下の口コミサイト「口碑」と統合した。美団は口コミや共同購入サービスを提供するサイトからのフードデリバリー進出に至る。両社本来が持つ強みの分野は異なるが、多角化発展を図り、生活関連サービスを提供する総合的プラットフォームへの発展という着地点は同じである。

▲中国生活関連サービス業界図(チャイトピ!作成)

中国生活関連サービス業界を見ると、elemeと美団以外に、「フーマー」のような生鮮食品専門デリバリー、「京東到家」のようなスーパーと消費者を繋げる配達サービスなど専門に特化したデリバリーが複数存在する。

また、アリババのECサイト「天猫(Tmall)」もスーパーと提携し、消費者に1時間内で商品を届けるサービスを提供している。中国物流大手の「順豊(SFexpress)」もフードデリバリー業界進出を報じられており、生活関連サービス業界の競はますます激化している。これからさらに多くのジャンルの商品がデリバリーできるようになるだろう。

コスメデリバリーは普及するのか

果たしてフードや日用品のデリバリーが習慣化した中国消費者にコスメデリバリーは浸透するだろうか。

デリバリーはECより配達が早いのが特徴で、ECサイトで買うと届くのに1~3日間かかるのがデリバリーだとわずか1時間ほどで届く。しかしコスメ商品の属性からみると、即時配達需要は大きくない。また、コスメ購入の主要ルートはECとリアル店舗であり、デリバリーでの購入習慣育成にまだまだ時間がかかるだろう。

実際、innisfreeがelemeに出店から半月経ったが、その売上は未だ芳しくないようだ。全商品の月間販売個数はわずか10個以下に留まっている。デリバリープラットフォームに出店し販路を増やす狙いだったが、消費者に購入してもらうのは容易ではないのだ。

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