报复性消费(リベンジ消費)
新型コロナウイルスの震源地とされている中国で、いくつもの企業で売上が落ち込んだことにより、職員のリストラが相次いだ。特に観光、飲食業界では外出自粛による顧客急減の影響が大きく及んだ。厳しい状況が続く中、企業はコロナ収束後の「报复性消费(バオフーシンシャオフェイ)」による損失軽減を見込んでいる。実際、旅行大手の「シートリップ(Ctrip)」は17年前のSARS収束後に起きた旅行へのリベンジ消費を機に飛躍的な成長を果たしている。そのリベンジ消費がコロナの収束時にも同様に発生することを多くの企業が期待している。
中国国家統計局が公開したデータを見てみると、消費は回復しつつあるが、未だに前年同期の水準には戻っていない。中国国内の感染が収束に大きく近づいている一方、国外からの入国者による感染リスクは油断できない状況である。今も尚日本同様、上海の地下鉄では皆がマスクをしている現状が続いている。
6月に開催されたECの大型セールイベント「618セール」は過去最高の売り上げを記録したが、補助金の支えもあり、リベンジ消費による貢献度の高さは不明確である。
Z世代、95後、00後
欧米では1990年代後半から2009年までに生まれた世代を「Z世代」と呼ぶ。中国では「95後(ジョーウーホウ)」、「00後(リンリンホウ)」と呼ぶ事が多い。中国Z世代の数は2億6000万人にのぼり2018年の中国人口の19%を占める。インターネットが身近にある環境で育てられ、ネットの大きな影響を受けてきたこの世代の人達の価値観は、それぞれ個々の個性を持っているのが特徴だ。
成人した今、消費の主力軍になりつつある彼らZ世代が企業にとって重要なターゲットであるため、彼らの趣味と個性を研究しそれに合わせたサービスが多く登場している。
▲中国のZ世代が好きなアプリトップ20(出典:QuestMobile)
破圈(枠を打ち破る)
「破圈(ポーチュェン)」とは一部の人々の間で人気を集めた作品や文化が、その一部の枠組みを飛び越え、より多くの人々に受け入れられることを指す。今では文化現象だけではなく、ビジネス業界でも「破圈」というワードをよく耳にする。ユーザー層拡大のため、企業がサービス内容を拡充する「破圈」の動きをとる事があるのだ。
二次元愛好家のコミュニティとして知られている「bilibili(ビリビリ)」は近年、ゲームやライブ配信など様々なサービスを試み、より多くの若者ユーザーを増やすことに努めている。bilibiliは今、二次元から「破圈」し、エンターテインメント総合サイトになりつつある。そのためbilibiliのユーザー数が着実に増えているが、古参ユーザーからの「もう昔のbilibiliじゃない」という不満の声もあがっている。
直播带货(ライブコマース)
中国のライブコマースは2019年から急成長し、2020年には新型コロナの追い風により、さらに多くの業界に広がった。チャイトピ!もライブコマースについてたくさん紹介している。
インフルエンサーがライブ配信を行い一定のファンを集めた後、その影響力を商品宣伝に活用するビジネスが生まれ、「直播带货(ズーボーダイホ)」というワードが生まれた。「帯」は「ついでに行う」という意味を含んでおり、初期のライブコマースでは商品販売が主要な目的ではなかった事が窺える。
しかしその後人気インフルエンサーの宣伝販売がもたらす売上が期待以上の成果を生み、ライブコマースの発展は加速、専業の宣伝販売インフルエンサーが誕生した。
中国政府が公開した2020年職種認定に「直播销售员(ズーボーシャオソウユェン・ライブ販売員)」が追加され、ライブコマースの従業員は正式な職種となった。
翻车(失敗した、やらかした)
「翻车(ファンツェー)」とはオンラインゲームでベテランプレイヤーがまさかの敗北をしたことを指すが、今では有名人のある活動が失敗に終わり、マイナス影響を生じた際にも使われる。
先日、中国の有名なビジネス作家「呉暁波」がライブ配信に顔を出し、あるブランドの粉ミルクの宣伝販売を行ったがわずか15個しか売れなかった。有名だからといって誰しもライブコマースの配信に向いているわけではないことを世間に証明することとなった。
ネット上では呉暁波氏のライブコマース進出が「翻车了(失敗に終わった)」と揶揄され、一時話題となった。
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