10月中国EV販売が好調
新型コロナウイルスの影響で2~3月中国自動車販売は大きく落ち込んだが、景気の持ち直しと政府の支援策を受け、需要は回復の兆しを見せている。9月の新車販売台数は前年比12.8%増加し、3ヶ月連続で2桁の成長を果たした。10月は特にエコカーの販売が好調で、新興3社が揃って好成績を発表した。
具体的に、NIO(蔚来)は納車台数5055台で過去最高を記録し、前年同期比伸び率が100%増加した。
理想汽車(LEADING IDEAL)は3692台で3ヶ月連続自己最高を更新した。
Xiaopeng(小鹏汽車)の納車台数は3040で3社の中では下位だが、前年比229%増加し、伸び率は1番高い。
▲2020年中国EVメーカー新興3社とテスラ(中国市場のみ)の納車台数推移(台)
(中国乗用車市場情報聯席会のデータに基づきチャイトピ!作成)
▲11月5日の自動車企業時価総額ランキング(億ドル)
(チャイトピ!作成)
販売成長の影響もあり3社共に株価も高騰、NIOの株価はBMWやゼネラル・モーターズなどを追い抜かし、世界自動車メーカー時価総額6位にまで躍り出た。
しかし一方で、NIOをEV世界最大手・テスラと比較すると、販売台数や売上など様々な面で、大きく差がついていることに変わりはない。
中国政府2035年までにガソリン車を全廃計画
中国政府は先日、エコカー業界発展に関する新たな計画を公開した。新車販売でNEV(新エネ車)は占める比率を2025年までに20%前後に引き上げる目標を掲げたのだ。2035年までには新車販売のすべてを電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)やハイブリッド車(HV)にする方針である。2035年以降はガソリンエンジン車の販売をできないようにする予定だ。
政府がエコカーの優遇をさらに進めることを受け、中国エコカー関連の株価が高騰している。一方で、去年年末に公開した同計画案の草案では、2025年までの新エネ車の比率25%を目標に掲げていたが、最終的な正式案で20%に引き下げたことから見ると、目標達成の難しさが見てとれる。
中国政府はこれまで補助金を通じて本土メーカーの成長を後押ししてきたが、近年補助金を削減したことにより、補助金を頼りに生き延びてきたメーカーが悲鳴をあげた。今回公開した計画案は充電インフラ建設の強化は強調しているが、補助金政策について言及していない。
今年末に廃止を予定していた補助金政策は新型コロナの影響で延長されたが、いずれ完全に補助金は廃止されるだろう。
今後中国新興EVメーカーらにとって、資金の持続的確保、技術の向上などが大きな課題である。