中国スマホメーカー・シャオミ(小米/xiaomi)は2020年Q3決算を発表した。
売上は722億元(約1兆1400億円)で前年同期比34.5%増加し、非GAAPベースの純利益は41億元(約647億円)で前年比18.9%増加した。スマホの出荷台数は約4660万台で前年比45.3%増加。
売上、純利益、出荷台数共に四半期ベースで過去最高を記録し、市場予想を大幅に上回ったのだ。上場以来最も好成績の四半期決算を出した。
主力のスマホ事業売上が476億元(約7521億円)で前年同期より48%増加しており、総売上の60%を占める。IoT・生活家電事業の売上も181億元(約2860億円)で前年同期より16%増加した。
▲Q3のシャオミ事業別売上
(決算資料に基づきチャイトピ!作成)
ファーウェイが制裁を受ける中、市場シェアを拡大させるシャオミ
中国通信機器大手のファーウェイ(HUAWEI、華為)は米政府の部品禁輸措置を受け、スマホ事業が大きな打撃を受けている。チップ在庫が不足し、先週には低価格ブランドのhonor(荣耀)を売却したと発表した。
そのようにファーウェイが苦境に陥る中、シャオミなどの競合はシェアを拡大させている。
▲Q3の世界スマホ市場シェア(出典:Canalys)
市場調査会社・Canalysによると、2020年Q3の世界スマホ市場では上位5社が7割超のシェアを占めている。
ファーウェイは出荷台数が前年比23%減少し、市場シェアはQ2の世界1位から2位に転落した。
アップルは例年9月に新型iphoneを発表していたが今年は延期になった影響で、Q3の出荷台数は前年比1%減少した。
上位5社の中でもシャオミの成長は著しく、出荷台数はアップルを抜き、3位に上がっている。僅か2ポイント以下の微差でファーウェイ にも追いつきかけている。
ヨーロッパ市場が絶好調、海外売上が初めて国内超え
中国国内スマホ市場の成長が鈍化している中、海外市場に目をつけた中国スマホメーカーらは東南アジア市場で格安スマホを提供し、市場シェアを拡大してきた。
特にシャオミは長年インド市場でシェア1位を維持している。2017年にはスペインにも進出し、その後はフランス、イタリア、ドイツなどの欧州の先進国にも事業を広げた。
Q3の決算では、シャオミの海外事業売上が前年比52%増の398億元(約6288億円)で、全体売上の55%を占めた。海外売上が初めて国内売上を超えたのだ。
▲シャオミの地域別市場シェア(出典:Canalys)
Canalysのデータによると、Q3でのシャオミのヨーロッパ市場での成長が著しく、出荷台数は88%と大幅増加し、市場シェアも19%に上がりトップ3のスマホメーカーにランクインした。
一方ファーウェイは反対にヨーロッパ市場での出荷台数が25%減少し、市場シェアもQ2の19%から14%に落ちた。
新型コロナで世界経済全体が打撃を受ける中、元々オンライン販売を強みに持っていたシャオミがプラスの影響を受け、Q3の好業績に繋がったと分析されている。
シャオミの決算資料はこちら: https://www1.hkexnews.hk/listedco/listconews/sehk/2020/1124/2020112400514_c.pdf
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