今回も11月25日~12月2日の中国ニュースをまとめました。
バイトダンスはドメインの「douyinpay」を取得、電子決済進出か
Tik Tokを運営するバイトダンスはこの頃「douyinpay.com」のドメイン名を購入したことが報じられた。
DouyinとはTik Tok中国版「抖音」のピンインである。
報道に対してバイトダンスは、他者の悪意あるドメイン取得を防ぐために購入したと発表したが、実際にはバイトダンスが今後電子決済サービスに進出するのではないかと囁かれている。
バイトダンスは2018年から買収を通してネットの小口融資など複数の金融サービスライセンスを手に入れてきた。今回のドメイン取得もネット金融分野進出の準備だと見られる。
https://www.cna.com.tw/news/acn/202012010188.aspx
アリババの蝦米音楽が来年サービス停止か
アリババ傘下の音楽ストリーミングサービス・蝦米音楽(xiami music)は来年1月にサービスが終了するとの噂が流れている。これについて、アリババはコメントを出していない。
▲蝦米音楽のアプリ画面(チャイトピよりキャプチャー)
蝦米音楽は2007年に創業され、アルゴリズムによる比較的マイナーな音楽を推奨してくれる機能が評価され、ユーザーを増やしてきた。しかしその後の激しい市場競争により、2013年にアリババへ売却する道を選択した。ところがアリババグループに入った以降も発展は順調と言えない状況にあった。
2015年から中国政府は海賊版音楽への規制を強化し、ライセンス契約を結んでいない音楽作品の提供禁止を命じた。それにより各音楽ストリーミングサービス会社はライセンス契約を義務付けられた。
ライバルのテンセントミュージックは世界大手レコード会社と独占的ライセンス契約を行い、市場シェアを拡大してきた。そのため大量の楽曲を失った蝦米音楽のユーザー離れが起きたのだ。
https://36kr.com/p/993027475404677
バイトダンスがバイドゥを不正競争で起訴し勝訴
バイトダンスが中国検索最大手・バイドゥ(百度)を不正競争行為で起訴した件での第一審判決は、百度に対し不正な競争行為を停止させ、バイトダンスへの50万元の賠償を言い渡した。それに対し百度は上訴を表明した。
事件の詳細は、2018年に百度サイトの検索結果で表示されるバイトダンス傘下のニュース配信サービス「今日頭条」の画面に、「サービス不安定のためアクセス出来ない可能性ある」との警告ラベルが表示されていた件である。
これに対しバイトダンスは、百度が自身の独占的地位を利用した不正な競争行為を行ったと起訴したのだ。
中国ITの新星であるバイトダンスは今日頭条やTik Tokなどの人気サービスを傘下に持ち、百度にとってかなりの脅威である。ここ数年2社の競争は激化し、同日に同様の理由でお互いを起訴する事件も起きている。
https://www.ithome.com/0/522/500.htm
インド政府がさらに中国製アプリを使用禁止に
11月24日にインド政府は43のアプリの、使用禁止を発表した。そのうち多くが中国製アプリで、アリババ傘下の国際向けECサービス・AliExpressやオフィスツールのディンディン(钉钉)が含まれる。
インド政府は6月から中国アプリに対して使用禁止令を多出しており、今回で4回目の禁止令となる。これまでにTik Tokやweixinを含めた220の中国アプリが使用禁止になっている。
中国とインドの対立が続いている今、アリババなどの大手企業がインドでの投資を停止にする計画も報じられている。
http://www.techweb.com.cn/it/2020-11-25/2813307.shtml
動画サイトbilibiliが今年度の流行語を発表、「爷青回」がトップに
中国動画共有サイト・bilibili(哔哩哔哩)が今年流行した弾幕を発表した。
弾幕とはユーザーが書いたコメントがリアルタイムで動画の画面に表示される機能である。bilibili は2017年から流行した弾幕を毎年発表している。若年層の利用者が多いため、若者たちの間で流行っているものが反映される。
▲bilibiliの画面で流れる「爷青回」(チャイトピ!よりキャプチャー)
2020年にbilibiliユーザーは約22億回の弾幕を発信しており、そのうち「爷青回」の発信回数が540万回で最も多かった。「爷青回」は「爷的青春回来了」の略称であり、「オレの青春カムバック」という意味を持つ。
子供の頃に見たドラマや昔好きだった歌手が出す新曲のMVをみる際などに、感動を表現する言葉として流行った。
https://www.bilibili.com/read/cv8621686/
美団Q3決算は29%増収、コロナ収束で事業回復
フードデリバリーを展開する美団(meituan)は2020年第三四半期の決算を発表した。売上は354億元(約5600億円)で前年同期より28.8%増加、そして前四半期より43%増加した。非GAAPベースの純利益は21億元(約334億円)で前年比5.8%増加した。
事業別で見ると、主力のフードデリバリー事業の売上も207億元(約3285億円)で前年比32.8%増加し、旅行関連事業の売上も65億元(約1031億円)で前年比4.8%増加した。
今年9月末までの美団プラットフォームの年間利用者数は4憶7700億人であった。前年同期の4億3600万人から増加を見せている。
https://www1.hkexnews.hk/listedco/listconews/sehk/2020/1130/2020113000520_c.pdf
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