中国で「独身の日(ダブル11)」と並ぶ大型セールイベント「618セール」が間も無く開幕。元々ECサイトの京東(JD)の開店記念セールであったが、近年は他のECサイトも便乗してセールイベントを行うようになり、独身の日と並ぶ中国のEC祭典となった。

京東が先日、過去の消費データを基に618の7つの消費トレンドを発表した。

(京東研究院公式wechatより)

1、国産ブランドが台頭

中国では「国潮(国産品や中国風)」のブームが起きており、2020年中国ブランドの売上前年比伸び率が海外ブランドより6ポイント高かったのだ。中国ブランドの消費者数の前年比伸び率も海外ブランドより18%ポイント高く、消費者が検索するブランドトップ10のうち、ファーウェイやシャオミ、茅台などの中国ブランドが7個もランクインしている。

2、「オンライン+オフライン」加速

オンラインとオフラインの融合が加速し、京東傘下の即時配達プラットフォーム「京東到家」には10万以上のリアル店舗が出店し、販売商品も食品からデジタル製品、コスメ、アパレルなど様々なカテゴリに広がっている。

3、細分化された需要に応じる新カテゴリが誕生

中国では若者世代が消費市場の主力となりつつあり、この世代の個性的な需要に応じる製品がたくさん現れた。低糖を売りにする炊飯器など細分化需要に応じる製品が高い人気を獲得しており、京東も「京萌」というペット関連商品に特化した自社ブランドを今回の618で公開した。

4、農産品の販売に助力

中国政府が農村振興戦略を実施する背景下、京東は農産品の販売ルート拡大への助力をアピールした。京東は物流のネットワークを農村部へ拡大し、農産品産業のデジタル化支援を提供するなど農村部の発展のために様々な対策をとった。

5、環境に優しい消費

環境改善の国家戦略に応じて、京東は宅配便のダンボールの再利用を積極的に展開。

6、商品とサービスを一体化

良いサービスを強みにもつ京東はそのサービスの中身をさらに拡大している。今回の618で京東は44個の新サービスを打ち出し、消費者体験を向上させたのだ。

7、サプライチェーンのデジタル化

京東のC2M(Customer-to-Manufactory)プロジェクト「JC2M」が消費者ニーズを基に商品を製造し、複数のヒット商品を誕生させた。サプライチェーンのデジタル化を通して供給から消費までのコストや効率、体験を改善した。

初の開催から17年間毎年開催されている618セールは中国消費市場のトレンドが大きく反映されるイベントである。今回の618セールはアリババが独禁法違反で過去最大の巨額罰金を科された後に初めて開催される大型イベントでもあるのだ。出店者の出店先を制限する「二者択一」の独占行為が禁止され、中国のEC業界はどう変わっていくかチャイトピ!は引き続き最新情報をお届けします。

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