中国コミュニティ型共同購入EC大手の「同程生活」が7日、経営不振により倒産申請を提出した。熱気溢れるコミュニティ型共同購入ECは業界再編が始まったようだ。

「同程生活」は2018年にサービスを開始し、コミュニティ型共同購入業界へ市場参入は比較的早く、今までに8回も資金調達に成功している。早期の発展は順調を見せ、コミュニティ型共同購入EC元祖の「興盛優選」に次いで業界2位だった。CEOの何鹏宇によると、2020年同社のGMV(取引額)は100億元に達したそうだ。

コミュニティ型共同購入ECはまとめ買いにより、低価格で購入することが可能なため、地方市場の消費者の間で人気を集めた。販売される商品は食料品や日用品などの低単価で購買頻度の高い商品である。新型コロナウイルスを追い風にコミュニティ型共同購入ECは急成長し、投資家達の注目を集めた。

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コミュニティ型共同購入のビジネスモデル

しかし2020年後半から美団(meituan)や拼多多(pinduoduo)などのネット大手が相次いで市場参入し、競争が一層激化した。大手各社が打ち出した低価格作戦が「同程生活」に大きな打撃を与え、多くのユーザーを奪っていったのだ。注文は減少し「同程生活」の資金繰りは悪化、同社のオフィス前に買掛金の支払いを求めるサプライヤーが集まる写真などが何度もSNSに流れた。

チャイトピ!編集部より

中国のコミュニティ型共同購入ECの発展はまだ初期段階にあり、低価格で獲得したユーザー達のロイヤリティーの低さなど、課題は多い。さらに中国政府の規制強化により、価格ダンピングが禁止され複数の企業が罰金を科された。
「同程生活」の経営破綻を皮切りに、過熱した中国コミュニティ型共同購入EC業界は落ち着き、2キロのポテトが送料込みで1元(約16円)などといった不当廉売行為などはなくなるだろう。

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