中国政府がネット大手の独占規制を強化したことにより、テンセントが出資するゲーム動画配信・huya(虎牙)とdouyu(闘魚)の合併が中止された。これは中国ネット分野で初めて起きた合併禁止事例となった。

huyaとdouyuは中国ゲーム実況配信大手で、両社合わせて8割の市場シェアを占めている。テンセントが2社の筆頭株主であり、2020年8月に両社の合併を提案し、2021年上半期に完成させる計画だった。

中国ゲーム動画配信市場シェア(出典:Mob研究院)

また中国規制当局は先週、以前行われた22件の買収・合併案の当事者企業に対して、各社50万元の罰金を課した。テンセントによる検索エンジン・sougou(搜狗)、ソーシャルEC・RED(小紅書)など5社への出資が処罰対象となった。

チャイトピ!編集部より

Huyaとdouyuの合併は中止になったものの、テンセントへの影響は一部に限られる。テンセント は「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」や「PUBG モバイル(和平精英)」などの人気ゲームの著作権を持っているため、配信プラットフォームの制限が可能だ。

競合他社であるバイトダンス傘下の動画サイトが以前、テンセント系ゲームを配信したことでテンセントに起訴され敗訴した事件がある。その後バイトダンスは自社でゲーム開発を開始した。

中国政府の独占禁止強化により、以前より公平的な競争環境が構築されたかもしれないが、実力者であるテンセントに勝つには、より人気なゲームを開発することが鍵となるだろう。

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