中国で若い女性から支持される口コミアプリRED(小紅書)がアプリの機能調整を報じられた。8月から投稿(レビュー)に購入ページのリンクを貼ることができなくなる。これについてREDは正式に発表していないが、REDと関わりのある一部のサービス提供会社は、非正式ではあるが、すでに通知を受け取った模様。
リンクにはタオバオ店舗も該当しており、アリババはREDの株主のため、この変更により、アリババとの関係性が悪化しないか懸念する声もある。
そもそも、REDのリンクは、2020年からREDのライブ配信でタオバオへのリンクを表示出来るようにしたのが初で、さらにその後、投稿にもリンクを貼り付けられるように変更を行った。つまり、たった1年でこの機能終了に至ったことになる。
今回、タオバオやアリババとの今後の関係性に着目されているが、実はREDの機能調整には以下の2点がある。
1、 投稿に購入ページへのリンク貼り付け機能閉鎖
2、 ユーザビリティ改善のため、広告関連の投稿制限
リンク制限には、タオバオのみならず、wechatミニプログラムやRED自社ECへのリンクも含まれるため、この調整はRED自身の戦略変更という側面が大きいと考えられる。
RED創業当時は、ユーザーが写真やテキストを投稿するだけのサイトであったが、その後EC機能が備えられたことにより、SNS型ECアプリとなった。2019年時点でREDのユーザー数は3億人を超過している。
しかし、違法内容の投稿など、様々な課題が出現。中国政府が近年ネット業界への監督を強化したことで、REDは以前アプリストアから削除されたこともある。
それ以来、同社はアプリ上のコンテンツ制限を強化し、コンテンツの一部削除を行ってきた。
また、REDのマーケティング効果を狙い、KOCによる広告としてのレビュー投稿が急増し、レビュー代行サービスが出回った。これにより、コンテンツの質が落ち、ユーザビリティの低下を訴えるユーザーが続出。今回の機能調整の報道後、REDは虚偽の医療美容投稿7千件を削除したと発表した。
チャイトピ編集部より
収益化とユーザビリティ向上のバランスを保つことは、昔からネットサービスの一大課題である。コンテンツアプリであるREDにとって、それは尚更だろう。
ユーザーが良いものをシェアし合うネットコミュニティから、広告が溢れるアプリになることだけは避けたいというのが、RED側の本音であるようにみえる。
今回の機能調整は、タオバオとの連携が見直されたというより、ユーザビリティを向上するための決断と言えるだろう。