中国のカフェチェーンのラッキンコーヒー(Luckin coffee)が公開した最新報告によると、売上と利益が増加し、経営状況が回復。監査済みの2019年決算はすでに公開しており、2020年の決算も早めに公開する予定だと表明した。
ラッキンコーヒーは、設立から2年も経たないうちに米ナスダックへ上場を果たし、スターバックスの脅威とも言われたが、去年4月に売上の水増しが発覚し、6月に上場廃止となっていた。
そんなラッキンコーヒーは今も経営を継続している。今年2月に米で破産申請したが、中国での事業を継続し、法的手続きを取って経営再建を目指している。
その後、5月からグループ全体で黒字を達成し、今年の年間目標に前倒しで到達。6月までの店舗数は5,259店。上場廃止後に事業規模を削減し、店舗数を減らしたが、それでもスターバックスを上回る店舗数を維持してきた。
商品では新品のココナッツミルクを入れたコーヒーが特に人気で、6月は1,000万杯を販売。7月31日まで、同社は現金と現金同等物7.758億米ドルを所有しており、今後も再建計画を進めていくと表明した。
ラッキンコーヒーが巻き返しを図る一方で、中国のカフェチェーン市場はすでに競争が激化。急成長する新興チェーンや、中国市場で拡大を図る海外ブランドが有力なライバルに成長している。
中国人が起業した新興チェーンのmannerは、ラッキンコーヒーと同じく低価格で商品を提供し、今まで5回の資金調達に成功。現在、企業評価額は10億ドルを超え、ラッキンコーヒーが不正会計スキャンダルの渦中、Mannerはスターバックスの1強に挑む新星だと言われた。そんなMannerは、今年店舗数を300店までに増やす計画だ。
チャイトピ!編集部より
ラッキンコーヒーの不正会計が出た翌日、事態に反して中国ラッキンコーヒーの注文数が急増。消費者としては、倒産したら今まで買ったクーポンを使えなくなる!というわけである。チャイトピ!編集部のスタッフも当時、一週間毎日ラッキンコーヒーを飲んでいたが、その後お店がいつも通りに営業していたため、みんな安心した記憶がある。
やはり一般消費者にとって「手頃な値段、悪くない商品」が一番の魅力で、食品安全のような健康に関する問題じゃなければ、粉飾決算は自分とは遠い世界の出来事、ということであろう。
さらに、この事件で中国カフェ業界への投資熱は一時期冷え切ったが、、今年上半期には業界の資金調達が28回もあり、投資家の中国カフェ市場に対する熱が再び高まった。
2020年、中国人による年間コーヒー平均消費数は9杯と、日本の280杯、アメリカの329杯と比べて、差が大きい。その分市場の伸び率も市場平均よりも高く、海外ブランドが中国市場を狙う要因となっている。
将来は北京、上海のような大都市だけでなく、地方市場でもコーヒーを飲む習慣が中国人に身についているかもしれない。