伝統的な中国料理や生活風景をテーマとした動画を配信し、莫大なフォロワー数を獲得した中国の人気インフルエンサー李子柒(Liziqi、リー・ズーチー)が近日、コンテンツ製作会社とトラブルになったと噂されている。
彼女は2016年から「李子柒」の名前(本名は李佳佳)で田舎の食生活動画を投稿。その童話のように美しく神秘的な雰囲気に癒されるとして、weibo2,700万、douyin5,400万、Youtubeでも1,500万人ものフォロワー数を獲得している。
今では国内だけでなく、国外でも高い評価を得ている中国を代表する人気インフルエンサーである。
しかし、今年7月から2ヶ月程、動画配信を停止。ファンの疑問に対して、李子柒のアシスタントは「第三者会社との関係を整理している」とコメントした。
その第三者会社は「杭州微念」だと言われており、李子柒がここまで人気になったのは、彼女一人の力ではなく、バックについているコンテンツ制作とインフルエンサー育成を展開するこの「杭州微念」の協力があってこそだろう。
李子柒と「杭州微念」は、最初は契約関係であったが、人気が出た後、両者で合資会社の「四川子柒文化」を設立し、「李子柒」のIP運営を開始。「李子柒」などの商標所有権もこの会社が所持している。
しかし、この会社の李子柒本人と杭州微念の持ち株比率は49:51で、会社の支配権は「杭州微念」にある。李子柒ブランドのEC店舗運営などのIP商業化も「杭州微念」が展開しており、そこからの収益は、李子柒本人には直接入らない状態だ。
李子柒がこの点を不満に思い、「杭州微念」との関係を絶った場合、持ち株比率上「李子柒」の商標使用もできなくなる可能性が高い。
一方で「杭州微念」に関しても、李子柒が離れることによる損失は大きい。
というのも、李子柒の成功によって会社の知名度が一気に引き上あがり、バイトダンスによる出資を含め、今まで6回の資金調達に成功しているからである。
もし李子柒が会社を離れたら、「杭州微念」にとっても痛手となるだろう。
チャイトピ!編集部より
インターネットとSNSの発展により、近年インフルエンサーがたくさん出現。人気の要因は個人の才能以外に、偶然性も多くを占める。そのため、人気インフルエンサーを育成することは容易ではない。李子柒のようなトップ級はなおさらだ。
「杭州微念」は他にもインフルエンサーを育成しているが、第二の李子柒は未だに輩出できていない状態である。このまま両者譲らない状態が続くとは考えにくが、もしどちらも妥協しない場合は、「李子柒」のIPが消える可能性も否めないだろう。
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