10月1日から7日間の国慶節期間、高速道路の渋滞に加え、充電スタンド不足など、車内エアコンによる電気消耗が早い電気自動車で外出する人たちにとって、悪夢のような連休となった。
国慶節期間における中国高速道路での充電量は通常の約4倍で、過去最高を記録。
深セン市から湖南省に帰省した、ある運転手によると、充電待ちの列に4時間並んでようやく充電できた程である。
今回の件を機に中国電気自動車に関して2つの課題が浮上:
•充電スタンドシステムの構築不全
•電力不足
中国エコカーの保有数は年々増えており、現在は678万台に到達。しかし、充電スタンドの運営が自動車の販売数についていけておらず、スタンドの数が足りない上、位置がわかりづらいなどという課題に直面している。
今回のような大型連休で、この充電問題がよりはっきり露呈したと言えるだろう。
また、中国各地で起きている電力供給不足を受け、突然の停電を心配し、充電頻度を1日1回から1日2回に引き上げたユーザーも存在する。電気自動車の新規購入を検討していた消費者にとっては、なかなか手が出しづらい状況となった。
中国電力不足について、現在たくさんの分析が行われているが、主に下記3点だと考えられている。
•火力発電の原材料である石炭の値段高騰
•中央政府の環境保護政策
•地方政府が年末の環境目標を達成するための電力制限
中国政府は、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量ををピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラル(炭素中立)の実現を宣言。
現在、CO2排出の多い火力発電が中国の主要な発電方法で、石炭を利用した発電は全体の50.96%を占めている。
今回、電力制限の影響を受けたのは、ほとんど工業企業で、政府も民用電力の供給を保証すると発表しているが、東北など一部の地域では民用電力の供給にも影響が出ている。
環境保護政策が継続される限り、電力不足が長期化する可能性は高いだろう。そうなると電気自動車業界への影響は今後さらに深刻化していくかもしれない。
チャイトピ!編集部より
中国の発電は、火力発電に依存しているため、この電力を利用した電気自動車は環境保護とは言えないのではないか、という疑問の声は以前から存在していた。
それでも中国当局は電気自動車業界の発展を後押ししており、今後も電気自動車が増え、ガソリン車は減っていく見込みである。であれば尚更、電力不足が足枷にならないよう、発電方法の改善を急がなければならないだろう。。
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