中国の人気ライバー雪梨Cherie(本名:朱宸慧)が脱税を行っていたとして、追徴課税と罰金で計6,555万元(約11億円)の支払いを命じられた。雪梨Cherieはアリババ・タオバオ上の人気ライバーで、Austin(李佳琦)、Viya(薇娅)に次いで売上3位である。
この事件と同時に人気ライバー林珊珊も脱税により2,767万元(約5億円)の追加課税が科された。雪梨Cherieはネット通販の企業を経営する起業家でもあり、林珊珊はその会社が契約しているライバーで、2人はタオバオでそれぞれ3,300万、1,000万人のフォロワーを獲得している。
脱税取締強化がインフルエンサーまで拡大
中国当局は税の監視と脱税の取り締まり強化を進めており、今回の脱税も他人の通報により明らかになったものではなく、浙江省の税務局がビックデータを分析した結果、脱税が摘発された。2人は個人の所得を自分が設立した会社の所得に付け替えていたという。
この事件は人気女優のファンビンビン、鄭爽が脱税で巨額罰金を科された後、社会的関心が寄せられた第3の有名人脱税事件となった。中国脱税取締の強化範囲は、芸能人からインフルエンサーにまで拡大しているようだ。
中国政府は9月から芸能人やインフルエンサーに脱税の有無を自らから検査するよう促しており、今回の事件をきっかけに、ライバー間で脱税の追加申告ブームが起こる可能性がある。
雪梨Cherieのライバー活動、今後どうなる?
今回の脱税騒ぎで雪梨Cherieのライバー活動と経営している会社は大きな危機に直面した。罰金で済むならまだ良かったが、現在彼女のライブ配信は全て中止となり、weiboアカウントも凍結されている。さらには、プラットフォームが彼女の名前が入った商品名の修正を店舗側に求めるなど、急速な火消しを行なっている。
前出の女優鄭爽は、脱税だけでなく、違法な代理出産を行ったこともあり、放送当局は鄭爽が出演したドラマの放映を取り止めに。今後、番組にも起用しないよう命じられており、現在鄭爽は中国のSNSから消え、今後の復帰もほぼ不可能となっている。
このように、たとえ雪梨Cherieが復帰できたとしても、今回の脱税騒ぎによる不信感を払拭するのは容易ではない。入り替りの激しい中国インフルエンサー業界において、再び影響力を取り戻すのは至難の業と言えるだろう。
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