中国のインターネット規制当局であるサイバースペース管理局(CAC)がスマホアプリの提供する情報サービスに対する管理規定草案を公開。本規定は2016年に発表した旧バーションを修正したもので、今年1月20日までこの案に対する意見募集を行う予定だ。

以下は規定の主な内容である:
(チャイトピより一部翻訳、正確な内容は中国語原文をご参考下さい)
https://mp.weixin.qq.com/s/HcB1b7-kI8D35BfWKAx25w

第二条:本規定の適用対象は中国で情報サービスを提供するスマホアプリおよび同様のアプリを配信するアプリストアとする。

本規定の「アプリの情報サービス」は、メッセージ、ニュース、コミュニティ、ライブ配信、EC、動画などを指す。

第四条:アプリおよびアプリストアの提供者は、社会主義の核心価値観を推進し、前向きで健全なネット文化を構築しなければならない。国家安全に被害を加え、社会秩序を乱すような活動を禁ずる。

第六条:利用者に情報配信、メッセージサービスを提供するアプリは、電話番号や身分証明書番号に基づいて、登録申請するユーザーの偽りのない身元情報を認証しなければならない。ユーザーが身元情報を提供しない場合、また偽りの登録を行った場合は、当該サービスの提供を禁ずる。

第七条:ネットニュースサービスを提供するアプリは、ネットニュースサービスのライセンスを取得しなければならない。ライセンス未取得での配信、ライセンス範囲を超えたサービスの提供を禁ずる。

第九条:アプリ提供者はコンテンツの審査メカニズムを構築し、法律や規約に違反した利用者に対して警告や、利用機能の制限、またはアカウント凍結などの処置を取らなければならない。

第十条:アプリ提供者は虚偽宣伝、バンドル・ダウンロード、違法かつ望ましくない情報の使用によって利用者のダウンロードを誘導してはならず、機械的もしくは人工的な方法によってデータやコメントの改ざん、虚偽のトラフィックを発生させてはならない

第十一条:アプリはサイバーセキュリティ国家標準の必須要件に準拠する必要がある。 アプリ提供者は、自社のアプリにセキュリティ上の欠陥やバグなどのリスクがあることを発見した場合、直ちに改善策を投じるとともに、関係部門に報告しなければならない。

第十三条:アプリ提供者は利用者に必須ではない個人情報の提供に同意することを強制してはならない。また、必須ではない個人情報の提供に同意しないことを理由として、利用者に基本機能サービスの利用を制限してはならない。

第十五条:アプリ提供者は世論に影響を及ぼす可能性のある新機能や新アプリをリリースする際、国家の規定に従ってセキュリティ評価を実施しなければならない。

第十八条:アプリストアの運営者は、配信申請したアプリ提供者の身元を認証しなければならない。

第十九条:アプリストアの運営者は、アプリの監督メカニズムを構築し、ダウンロード数や、評価などのデータ偽造行為を防止しなければならない。

チャイトピ!編集部より

この規定は新しく施行された「サイバーセキュリティ法」、「データセキュリティー法」、「個人情報保護法」などの法律を基に、スマホアプリ分野での施行を細かく規定したものである。旧バーションと比べると、アプリ情報サービスの政治的立場や、ニュース配信、コンテンツの審査システム、個人情報収集などが追加・修正された。

中国では、2021に入り、少なくとも106以上のアプリが個人情報保護法やサイバーセキュリティ法を違反したとしてアプリストラから処分を受けていた。その中でも、ネット配車大手のDiDi(滴滴)は最も有名な案件であり、未だにアプリは表示されないままだ。今後も中国政府のネット分野における取締強化が続きそうだ。

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