上海ではコロナ感染再拡大により3月28日から始まったロックダウンを予定より延長している。
宅配から消毒作業まで様々な場面で人手不足が起きており、政府が物流の復旧を急ぐ一方で、企業らは状況に応じて人間の代わりに役割を果たすロボットなどのハイテクマシーンを投入し、状況の改善を図っていた。
今回、チャイトピは現場に投入されているものの中からいくつかに絞ってまとめてみました。
■ロボット犬
3月末にある動画がネット上で話題となった。スピーカーを背負ったロボット犬が住宅地を徘徊しながら、「マスクを着用してください」、「大勢で集まらないでください」などコロナ感染への注意を呼びかけていた。
上海では以前もロボット犬を連れて散歩する男性の動画が話題となっていた。
■ドローン
汎用性が高く、普及も進んでいるドローンは空中からスピーカーでの注意喚起のほかに、消毒作業といった場面でも活躍を見せていた。
また、中国宅配大手である順豊(SF Express)が現場に投入したドローンは十数分で1,200個の抗原検査キットの運搬に成功していた。
無接触で感染リスクが下がった上、緊急物資の配送効率を引き上げた。
■AIロボット
3月26日から運用開始された上海万博展覧センターにある臨時隔離施設では運送ロボットやガイドロボット、消毒ロボット、セキュリティロボットなど様々なAIロボットが現場での活躍を見せていた。
食事の運送では、一度に28個の弁当を運べるAIロボットが自動で患者のところまで届けてくれる。人では20分かかる作業を5分に短縮し、効率大々的に引き上げた。
また、食事のほかに医薬品などの物資を届けることも可能。
一方で、消毒ロボットは医療スタッフの代わりに24時間稼働で、消毒液の散布に紫外線消毒や空気清浄などの作業をこなしていた。
これらのロボットはスタッフの代わりに隔離区域に出入りすることができ、感染リスクを抑えて作業効率を引き上げることで役立っていた。
■無人配達車
コロナ感染が拡大している上海では、配達員が不足する中で食料などの物資を市民に届けることに困難が生じていた。
その解決策の一つとして、関連業界の大手企業らは地域のコミュニティを中心に近距離の配達に適した小型の無人配達車を投入した。
フードデリバリー大手・美団(meituan)が投入した無人配達車は150kg超の物資を載せ、一度に10軒のお宅に食料などを届けることができる。
また、一回の配達ごとにスタッフが車体に対して全面的な消毒を行い、感染リスクを最小限に抑えていた。
こちらの無人配達車は病院にも配置され、PCR検査のサンプルや医療物資などの運搬にも役立てていた。
ほかにも、物流事業を有する中国EC2位の京東(JD)が24時間稼働の無人配達車を現場に投入していた。
■まとめ
コロナ禍の中でロボットや無人配達車などのハイテクマシーンを現場に投入する最大のメリットは、やはり人と人との接触を抑え、感染リスクを低減できることにあると言えるでしょう。
また、時間に囚われずにフルで稼働できることもその一つとして挙げられる。
しかし、コスト面を考慮すれば全面的に導入するのは難しいと思われる。さらに、これらの運送やメンテナンスには専門の技術者が必要であり、そうした人材確保も課題になってくると思われる。