中国のマーケティング業界では、レトロの風が吹いているようだ。

近日、40年前に大ヒットした北条司の漫画「キャッツ・アイ」が中国の新興コスメブランドJoocyeeとコラボし、商品販売後、即完売となる大成功を収めた。

▲三姉妹の代表カラーに合わせた口紅、アイシャドウ、アイライナーのセット

近年、人気アイテムやコンテンツキャラクターとのコラボは、イメージの刷新や、若者消費者を獲得できるとして、中国マーケティング業界で通常の手法となっている。

さらに、老舗の中国国産ブランドがレトロブームを追い風に再評価されたケースが複数あるほど、近年中国の若者の間では、レトロブームが起きている。

このような背景から今回、このキャッツ・アイとのコラボが成功した理由は以下の2点だと考えられる:

1、中国90後(90年代生まれ)の当時の懐かしい記憶を喚起
2、ブランドと作品の相性が良く、レトロな要素をデザインに取り入れたことによる相乗効果

そもそもキャッツ・アイは日本で1980年に公開された漫画で、テレビアニメも放送されるなど、当時の大ヒット作品となった。

中国では90年代早期に改革開放政策が施行され、国営テレビが数多くの海外アニメを放送。そのため、ドラえもんや鉄腕アトム、スラムダンクなど日本のアニメが多くの90年代生まれに視聴されることになったのである。もちろん、今回のキャッツ・アイも例外ではない。

今ではネットが便利な時代となり、中国の若者は多くのコンテンツを視聴できるが、このコンテンツがありふれた時代だからこそ、昔の作品が出現すると、消費者は懐かしさを感じ、商品購入の意欲が湧くのだろう。

次に、ブランドとキャッツ・アイの相性も成功の要因だと考えられる。

Joocyeeは2020年設立した新興ブランドで、新世代の中国人女性に向け、よりトレンディでアーティスティックな「デザイナーズメイク」を目指すというコンセプトで展開している。この点において、ファッショナブルで「色っぽい」「勝気」「かわいい」といった性格を兼ね備える三姉妹はJoocyeeの「独立、個性を追求する新生代の女性のために。」というブランド理念と重なる部分が多い。

また、Joocyeeのターゲット顧客層は20~30代の女性であり、キャッツ・アイを視聴していたであろう90後と合致している点も今回成功に至った要素だと考えられる。


中国では、流行の入れ替わりが激しく、若者の嗜好は常に変化していっている。
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