中国のテンセントビデオで、2018年に公開された韓国映画「川沿いのホテル」が放送された。これは韓流コンテンツの流入を規制する「韓流禁止令」が施行されて以来、6年ぶりの中国動画サイトでの韓国映画配信となった。
「韓流禁止令」の背景として、2016年に中国は韓国のサードミサイル配備に反発。これを機に中国で韓国ドラマや映画などのコンテンツの流入を規制する、いわゆる「韓流禁止令」が発令されることになった。
それ以降、中国では韓国コンテンツを視聴することができず、韓国出身の芸能人も中国での活動が急減。これにより、たくさんの本土アイドルが人気を獲得した。
また、「韓流禁止令」に打撃を受けたのは、韓国の芸能人だけではない。中国で流行していた韓国コスメもその犠牲者である。
上記のグラフを見ると、日本ブランドは横ばいなのに対し、2012年から韓流ブームの影響を受け、韓国コスメが中国でシェアを拡大。2016年は11.7%と市場の約1割を占めるほど、成長を遂げた。
しかし、2016年以降は「韓流禁止令」の影響を受け、韓国メイクアップブランドの市場シェアは次第に減少。当時、大人気となったイニスフリー、エチュードハウスなどの中国店舗が急減する一方で、近年国潮ブームもあり、中国ブランドが力を増す結果となった。
これほどまで大きな打撃を与えた「韓流禁止令」であるが、実は公式に発表されたことはない。中国政府は韓流禁止令を一貫として否定し、自国文化界の自発的行動だと主張しているのである。
それゆえに「韓流禁止令」が正式に解除されるかどうかも定かではなく、解除されたとしても、過去の6年間で中国市場はすでに大きく変化しており、失われた中国市場で巻き返すことはそう簡単ではなさそうだ。