中国格安ECの「ピンドォドォ(拼多多)」が第三四半期で、売上高は前年比65%増加、純利益は前年比546%増加と、好成績を出した。

中国ECシェアトップ2社のアリババと京東(JD)の同期業績と比較すると、拼多多がどれほど好調であったか一目瞭然である。特に、アリババの売上が3%と微増なのに対し、拼多多は高い成長を維持している。

▲第三四半期アリババ、京東、拼多多3社の業績

では、なぜEC各社の中で拼多多は好業績を出せたのか?

この増収の理由について、拼多多は農産物や家電、美容製品などの売れ行きが好調で、拼多多に出店や、イベントを展開するブランドが増加したためだと説明している。

同社の収益構成を見てみると、広告収入と手数料収入はそれぞれ前年同期比58%、102%増加し、全体売上の増加に繋がっている。広告収入と手数料収入の合計額はアリババの顧客管理収入(広告と手数料収入)の53%に相当しており、5割を超えたのは今回が初めてである。つまり、拼多多にリソースを投入するブランドが増加しているということだ。

▲Q3拼多多の事業別収入と伸び率(筆者より作成)

なぜブランドはこの時期において、拼多多を選ぶのか?

これは中国経済の低迷により低価格商品への需要が増加していることに加えて、一部のブランドは在庫処分のアウトレット店舗として拼多多を運営するためだという見方もある。

さらに拼多多は国内のEC市場全体の伸び率鈍化を受け、海外市場に着目。米市場で立ち上げた格安ECプラットフォームのTemu(テム)も好調で、調査会社センサータワーによると、10月に米国で最もダウンロードされた買い物アプリとなった。

しかし、高い利益について、同社は決算期間が業務の期間と一致しないため、高い収益を維持することは難しいと強調しているのも事実だ。世界経済の雲行きが悪化し始めた今、格安ECの代表である拼多多がその成長をどこまで継続できるかが注目されている。

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