中国ではEV車の生産と販売が加速し、自動車市場を牽引する大きな存在となっている。そんなEV市場の成長を後押ししてきた中国政府の補助金政策がいよいよ12月31日に打ち切られることになった。
元々、この補助金政策は2010年から中国政府がEVを含む新エネ車(NEV)の販売に対し支給を開始。2017年以降、政府は補助金額を年々削減し、2020年を最後に補助金政策の廃止を計画していた。しかし、同年コロナの影響でNEVの販売が低迷したことを受け、政府は補助金政策を延長。そして、今年の12月31日、10年以上続いた補助金がついに終了を迎えることになった。
では、この補助金が廃止されることで中国のNEV市場にどんな影響が出るのだろうか。
2017年NEVメーカーが実際に得た一台あたりの補助金は8.4万元。その後は年々減少し、2021年は1.4万元まで落下している。
このような状況でもNEVの販売台数は2019年に大幅な補助金削減を受け、前年比4%減少する結果となったものの、2021年には352万台まで急拡大。今年は1~11月の販売台数は606万台まで到達しており、年間では前年比90%増の670万台だと予測されている。
この勢いから2023年も中国のNEV市場は成長し続けると予測されており、補助金の廃止がもたらす影響は限定的であると考えられる。
中国の補助金政策がNEV市場の初期発展を促進し、車の電動化を加速させたことは間違いない。しかし、政策主導から市場主導に転換したNEV市場は、原材料の価格上昇によるコスト増加、中国コロナ政策の不透明さといった懸念が残っていることも事実である。
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