中国発のショート動画投稿アプリ「Douyin(抖音)」は現地で絶大な人気を誇っており、海外市場でも「TikTok」として名を馳せている。中国市場に進出する日本企業やブランドにとって、同アプリは中国の消費者らにダイレクトなプロモーションを行う上で欠かせない重要な場といえる。

そんなDouyinには「Kuaishou(快手)」というライバルがおり、併せて中国ショート動画業界の2強となっている。

チャイトピは今回両プラットフォームの特徴について、簡単にまとめました。

ユーザー像の特徴

▲ チャイトピより整理・作図(データ出典:KAWO、快手)

Douyin:

  • MAU(月間アクティブユーザー数)では競合の快手を上回っており、大都市に住む人々がメインユーザー層
  • 近年ではライブ配信とEC(オンライン販売)を組み合わせたライブコマース事業が急成長しており、事業範囲もB2CからC2Cへと拡大している
  • 経済力の高いユーザーが多いため、「ルイ・ヴィトン」など高級品ブランドの出店が多く見られる

Kuaishou:

  • 都市別ユーザー層を見ると、特に三線や四線以下の地方都市に住む人々の割合が抜きんでている
  • Douyin同様ライブコマース事業に力を入れており、2022年度のGMVは9000億元を超えた
  • 近年人気を見せている縦型ショートドラマを打ち出すことで差別化を果たし、新規ユーザー獲得と広告収入の増加にもつながっている

両プラットフォームで見られる日系ブランドの特徴

▲ チャイトピよりスクショ・整理
  • 近年では、タオバオや京東(JD)など従来のECプラットフォームよりも、新興ECプラットフォームのDouyinとKuaishouを重視するブランドが増えている
  • Douyinにリソースを投入する高級ブランドが増えており、Kuaishouに出店する高級ブランドも増えているものの、ユーザー層とターゲット層がよりマッチするDouyinにおけるフォロワー数が多い

まとめ

ライブコマース分野では両プラットフォームとも急激的な成長を遂げており、タオバオなど従来のECプラットフォームらにとっては脅威となっている。DouyinとKuaishouはどちらも膨大なユーザーを抱えているが、前者では大都市にユーザーが偏り、後者では地方都市にユーザーが偏っていた。こうした特徴から、高級品など高価格帯のブランドはよりDouyinを重視している模様。

過去の記事:

【TikTok・快手】中国ショート動画2強の戦略、ユーザー層を比較