最近、フランス高級ブランド「ルイ・ヴィトン」が上海で「マナーコーヒー」などの人気カフェ3店舗と打ち出したコラボキャンペーンが大きな話題になっている。店の前では連日長蛇の列ができ、SNSでは関連の写真投稿や熱論で大いに盛り上がっていた。中国ではいま、ハイブランドによる異色コラボキャンペーンが熱い。
ルイ・ヴィトンが今回打ち出したコラボは「コーヒー × 本」をテーマとしている。書店をイメージに、赤・青・黄の三色に装飾替えしたコラボカフェが登場し、店内ではルイ・ヴィトンが出版している本が陳列されていた。写真映えする店舗を背景に、ロゴ入りのコーヒーを片手に撮影するユーザーの投稿がSNS上にあふれ、人気のほどがうかがえる。
特に本を2冊購入した人に贈られるロゴ入りのトートバッグが高い人気を見せており、ダフ屋による高額転売も相次いでいた。バッグ一つ数十万円のルイ・ヴィトンだが、数百円のコラボデザインのコーヒーに約一万円でゲットできるトートバッグは同ブランドの商品に触れるハードルを下げた。
ルイ・ヴィトンは過去にも中国で数々のイベントを打ち出してきた。また、兄弟会社であるイタリアの高級ブランド「FENDI(フェンディ)」も今年5月にティードリンクブランド「HEYTEA」とコラボし、限定ドリンクやグッズを打ち出したことで脚光を浴びた。
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HEYTEA × FENDI
スマホメーカー「シャオミ」のCEOである雷軍がコラボドリンクを購入し、自社スマホと並べた写真を投稿したことも話題を呼んだ。その後、FENDIは上海のアイスクリーム店とコラボし、再びSNS上で話題になっていた。
ほかにも、競合の「プラダ」が現地でマナーコーヒーや上海の野菜市場とコラボし、消費者からの注目を集めた。
こうした異色なコラボに惹かれた人々が現場を訪れ、SNS上に鮮やかな背景とロゴが納められた写真を拡散することでブランドの認知度が高まり、潜在顧客の獲得につながる見込みである。また、マナーコーヒーなど若い世代に支持されているブランドとコラボすることで、若者への接点を増やすこともできる。
海外ハイブランドらは成長する中国高級品市場を重視しており、ルイ・ヴィトンの親会社「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」のCEOであるベルナール・アルノーは今年6月末に北京を訪れ、高級百貨店「SKP」を視察した。
ゼロコロナ政策が終了し、景気回復に向かう中国市場で海外高級ブランドらがどのような動きを見せるか注目していきたい。
※アイキャッチ画像は中国SNSより