中国新興EVメーカー「理想汽車(Li Auto)」が今年4~6月期の決算を発表した。四半期ベースにおける売上高、純利益、納車台数では過去最高記録を達成し、好調を見せていた。
- 売上高:287億元(約5,700億円)と前年同期比228%増加、市場予想を上回った
- 純利益:23億元(約460億円)と前年より黒字転換
- 営業利益:16億元(約320億円)と前年より黒字転換
- 納車台数:8万6,533台と前年同期比202%増加
事業が好調な理由の一つは、コロナ感染拡大の影響が深刻だった昨年からの反動が大きいと考えられる。昨年の4~6月期では上海ロックダウンなどの影響を受けて、同社の納車台数は2万8,687台と落ち込んでいた。
また、同社が単一車種から多車種へと販売モデルの幅を増やす事業戦略に切り替えたことも影響している。昨年から「L9」「L8」「L7」と新モデルを立て続けに打ち出しており、幅広い消費者層にアプローチをかけている。
Li Autoは売上高1,000億元(約2兆円)と納車台数30万台を今年度の目標に掲げており、上半期の決算によるとその半分近くを満たしていた。激戦を繰り広げる中国EV市場で現在も生き残り、黒字化を果たしているメーカーは数少ない。厳しい市場の中で同社は順調に業績を伸ばしており、BYDやテスラなどの大手メーカーに追いつける可能性も否めない。
今後、同社が急速な成長ペースを維持できるかに注目していきたい。
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